色を探究する(’23)
講義メモ
第01回 色の世界へのいざない
トピックスをあげながら、さまざまな分野の「色」の紹介と、分野間のつながりを紹介しながら、色というものの基礎をとらえていく。
第02回 言語文化の中の色―色を表現する言葉―
色を表現する言葉には様々なものがあり、場面や目的に応じて使い分けられている。また、色を表す言葉は文化によっても異なる。様々な色の表現方法やその文化差について概説する。
第03回 歴史文化の中の色―意味付けられた色―
日本では歴史上比較的古い時代から様々な色が使われてきた。一方ヨーロッパで色が盛んに使われるようになったのは中世以降だという。本章では日本とヨーロッパでの色の使われ方や、その意味合いをそれぞれの文化的文脈の中で検討する。
第04回 見える~見えない~見せる~見せない色―色をめぐる物語―
人の気持ちにより、色が見えたり見えなかったり、見せたり見せなかったりする。また、その色の持つ性格的なものも、人の感情などに作用することも少なくない。様々なジャンルの色にまつわるエピソードやキャッチフレーズなどから、色の感じ方・表現の仕方を味わってみる。
第05回 見える色・見えない色1―光と色―
光には様々な性質がある。例えば、空気、水、その他の物体に衝突したり、通過したりする際に、光は反射、屈折、吸収、透過などの性質を示す。そしてその結果が、虹や青い空、赤い夕日、ものの色といった、色となって表れる。光の性質と色との関係について学ぶ。
第06回 見える色・見えない色2―石と色―
物質はそれぞれ固有の色を示す。赤、緑、青といった有彩色だけでなく、黒、白、無色透明など多彩な色がある。宝石、金属、土を例に、透明、金属光沢といった色が生じる仕組み、土壌の性質と色の関係について学ぶ。
第07回 見せる色・見せない色1―動物と色―
動物は生きるためにその体の色を利用している。捕食者から身を隠すための目立たない体色をもつ場合もあれば、捕食者から忌避されるような目立つ体色の場合もある。このような動物の体色の役割や、色への応答について学ぶ。
第08回 見せる色・見せない色2―花と色―
植物は色を使って太陽光を集め、さらには昆虫や鳥など
を誘引し、花粉や種子の散布のために利用している。花や果実の色の役割、それらの色を生み出す色素の特徴や性質について学ぶ。
第09回 表現された色・纏う色-赤を染める天然物の色彩-
染織品の赤を染める天然染料を、科学と文化の両側面から探究する。日本の赤〜世界の赤を染める天然物について、茜とカイガラムシ(コチニール・ラック)を中心に解説する。色素の性質、茜や虫の生態などの科学的事実を確認した上で、染料として使用された歴史的な背景や文化に関する赤にまつわる物語を紹介する。
第10回 近代の美術と色彩1―画家たちが見出した色彩―
古典絵画において色彩を用いて描くということは、固有色(ローカルカラー)に陰影と明暗を施し、対象の形態や質感を再現することだった。近代の画家たちはこうしたアカデミックな手法から脱し、絵画のあり方を変革していった。その起点となった印象派に注目し、筆触分割や補色の効果など彼らの用いた新しい手法とその効果、後世に与えた影響を検討する。
キーワード:印象派、筆触分割、新印象主義、点描、視覚混合、補色、固有色、空気遠近法
第11回 近代の美術と色彩2―近現代美術と色材―
印象派が戸外制作によって風景画を刷新した背景にチューブ絵具の普及があったように、新しい技術や色材が芸術家の表現に変化をもたらす契機となることがある。また画家の用いる色彩やその組み合わせ(パレット)が画家の個性や独自性と深く結びつくことも近現代美術の特徴である。近現代の絵画史において、絵具や塗料などの色材が重要な役割を果たした作家・作品について考察する。
第12回 表現された色・とらえる色 ―こころと色―
色:colorの意味には、視覚的に認識できる色彩ばかりでなく、物理的な視覚では見ることができない、人の個性や人柄の意も含まれている。本章では、色に表れる多種多様なこころとのかかわりを取り上げて、心理臨床の世界での色について、代表的なものを紹介していく。
第13回 環境を構成する色1─建築と色彩─
建築や景観に関わる色彩の基本言語や色彩の機能、効果などを理解するとともに、建築計画における色彩デザインの基本を整理し、心地よい建築・都市空間を形成する上で色彩が欠かせない役割を担っていることを学ぶ。
第14回 環境を構成する色2─景観と色彩─
景観と色彩の関わりを理解するとともに、特徴的な色彩景観の事例や美しい色彩景観を守り育む様々な取組みを通して、心地よい景観を形成する上で色彩が欠かせない役割を担っていることを学ぶ。
第15回 色と生きる
誰もが親しみやすい衣食住を中心とした日常生活の中での色のあり方、楽しみ方、活用法から、色彩論をはじめとした研究展望について取り上げる。